3 分析の準備

3.1 データの準備

メニューの「ファイル」→「データを開く」→「サンプル・ファイル」以下にサンプル・データが用意されている.自分で用意したデータを分析する場合は,以下の要領でデータをgretlに読み込んで保存する.

  1. データの整理には表計算ソフト(Excel等)が便利である.各行が個体または観測時点,各列が変数を表す行列にデータを整理し(1行目は変数名),適当なファイル名(半角英数字)を付けて保存する.作業フォルダを用意し,そこに保存するとよい.
  2. gretlのメニューから「ファイル」→「データを開く」→「ユーザー・ファイル」を選択し,データ形式を選んでデータ・ファイルを開く.幾つかの質問に答えるとデータが読み込まれる.
  3. データはgretlのgdt形式で保存しておくのが便利である.メニューから「ファイル」→「データを保存」を選択して保存する.gdt形式のデータを開くには,メニューから「ファイル」→「データを開く」→「ユーザー・ファイル」を選択する.

3.2 データの追加

複数のファイルに分割されたデータは,以下の手順で1つのまとめる.

  1. 1つ目のデータ・ファイルを前項の手順で開く.
  2. gretlのメニューから「ファイル」→「データを追加する」を選択し,データ形式を選んで2つ目のデータ・ファイルを開く.通常は「単純な追加」でデータが読み込まれる.
  3. 3つ目以降も同様.

3.3 変数の作成

gretlでデータを加工する方法は2つある.

  1. メニューの「追加」以下で簡単な変換(対数・2乗・ラグ・階差・指数化・標準化など)や変数の作成(トレンド・各種ダミー・疑似乱数など)ができる.ただしダミー変数は離散データからしか作れないので,「変数」→「属性を編集」で「この変数を離散変数として扱う」にチェックを入れておく.
  2. 複雑な変換はメニューから「追加」→「新規変数の定義」を選択し,新しい変数を式で定義する.

また「変数」→「欠損値コードを設定」で欠損値コードを入力すると欠損値が空欄となる.

3.4 スクリプトの実行

マウスで操作できるのがgretlの長所だが,単純なマウス操作の繰り返しは面倒である.マウス操作をスクリプト・ファイルとして保存すれば,簡単に再実行できる.

  1. 「ツール」→「コマンド・ログ」でマウス操作の履歴が確認できる.右クリックして「スクリプト・エディタで開く」を選択し,「保存」のアイコンをクリックしてgretlスクリプトとして保存する(ファイル名に拡張子.inpを付ける).
  2. 「ファイル」→「スクリプト・ファイル」→「ユーザーファイル」で保存したスクリプトを開き,「実行」のアイコンをクリックして実行する.